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森永乳業(2264) 1Qは約5割の営業増益、当研究所の24/3期利益予想を増額

QUICK企業価値研究所アナリスト 篠崎智明(2023/09/19)

・1Qは約5割の営業増益
 24/3期1Qの連結業績は、売上高が前年同期比7%増の1397億円、営業利益が同53%増の96億円だった。23/3期下期よりホエイたんぱく製品の好調が続くドイツ子会社(MILEI社)の業績が大きく拡大。23/3期に苦戦した主力食品事業は、価格改定効果や高採算な「マウントレーニア」の販売が復調しつつあることで営業増益に転じた。全セグメントで増収増益を確保し、連結全体で約5割の営業増益となった。なお、工場跡地売却による特別利益計上(657億円)などが寄与し、純利益は529億円(23/3期1Qは29億円)だった。

・24/3期の当研究所利益予想を増額修正
 1Qは価格改定効果が想定以上に発現し、各段階利益が企業価値研究所の想定ラインを上回って推移。当研究所では、24/3期の連結業績予想について、営業利益を前期比4%減の230億円(従来予想は215億円)に増額した。ただし、中国のマクロ経済環境が悪化している点や、後述の23年12月の加工用乳価改定後の影響など、来期の事業環境を慎重に見極める必要があることから、25/3期以降の業績予想は変更していない。

・リスクファクター ~原材料高による採算の悪化

・アナリストの投資判断 ~株価は業績回復の速度次第
 24/3期1Qは約5割の営業増益。価格改定効果が当研究所の当初の想定以上に発現しており、24/3期の当研究所利益予想を増額した。ただし、中国のマクロ経済環境が悪化している点や、23年12月の加工用乳価改定後の影響など、来期の事業環境を慎重に見極める必要があることから、25/3期以降の業績予想は変更していない。1Q決算を好感し、発表後の株価は一時6000円台まで回復。足元は5800円前後で推移しているが、当面の株価はコスト増で苦戦した23/3期からの業績回復の速度次第とみている。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

篠崎 智明

シニアアナリスト

食料品担当


【プロフィール】

首都大学東京都市教養学部(現東京都立大学法学部)卒業。地方銀行に入社し、支店勤務、日本経済研究センター出向、銀行系シンクタンク出向を経て、2020年QUICK企業価値研究所に入社。

マクロ経済の分析経験を活かしつつ、取材などを通じて個社を多角的に評価できるよう努めている。


日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)


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