【日経QUICKニュース(NQN)】ファーストリテイリング(9983)株が12日夕の私設取引で上昇している。ジャパンネクスト証券が運営する私設取引システム(PTS)で15時13分に同日の東証終値(3万3750円)を1250円(3.70%)上回る3万5000円で取引が成立する場面があった。
ファストリは12日の東証取引終了後、2024年8月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比5%増の3100億円になるとの見通しを発表した。4期連続で過去最高を更新する計画だ。市場予想の平均であるQUICKコンセンサスの2841億円(3日時点、11社)を上回ったとあって、好感した買いが入ったようだ。
■今期純利益5%増の3100億円 海外ユニクロ好調
売上高にあたる売上収益は10%増の3兆500億円、営業利益は18%増の4500億円を見込む。国内ユニクロ事業なども増収増益を見込んでいる。今期の年間配当は330円(中間・期末それぞれ165円)と前期から40円増やす。
あわせて発表した23年8月期の連結決算は売上収益が前の期比20%増の2兆7665億円だった。純利益は8%増の2962億円と過去最高を記録した。海外ユニクロ事業が全地域で好調で、連結売上収益に占める割合も初めて5割を超えた。
■ファストリ柳井会長「塚越ユニクロ社長は後継の有資格者」
同社の柳井正会長兼社長は決算説明会で「売上高10兆円の達成を目指す」と改めて表明した。各地で培ってきたノウハウを世界中で展開すれば「途方もない目標ではない」との認識を示した。
ファストリ傘下のユニクロの塚越大介社長が柳井氏の後継者としての資格があるかを問われ「有資格者でなければ社長にしない」と述べた。自身の立ち位置については「従来同様、グループ全体の経営の意思決定及び経営執行を担っていく。念のため言っておくが私もまだ頑張るのでどうか会長と呼ばず社長と呼んでほしい」と求めた。