【日経QUICKニュース(NQN)】村田製作所(6981)の村田恒夫会長は31日に開いた決算説明会で、スマートフォン向け電子部品の市場動向について「需要が低迷するなかでも中低位機種の比率は上昇する」との見通しを示した。同社は2023年度のスマートフォンの部品需要の予測を前期比3%増の11億1000万台分と、小幅ながら回復するとした前回4月時点の見通しを維持している。中華圏のスマートフォン向け需要は引き続き回復に向かっているが、需要の低迷が底入れしたかどうかについては「不透明」(村田恒夫会長)との認識も示した。
■今期純利益を2250億円に上方修正 円安進行などを反映
同日発表した2024年3月期(今期)の連結業績予想(国際会計基準)で、純利益が前期比8%減の2250億円になりそうだと発表した。従来予想(33%減の1640億円)から引き上げた。足元の円安進行や固定費の減少などを反映した。
想定為替レートは1ドル=145円と従来(同127円)から円安・ドル高方向に見直した。売上高に相当する売上収益は4%減の1兆6200億円と従来予想(3%減の1兆6400億円)から引き下げた。家電やコンピュータ向けの売り上げ減少を見込む。期末配当は1株あたり25円の計画を維持した。
あわせて発表した4~9月期の連結決算は、純利益が23%減の1251億円だった。売上収益は12%減の8103億円、営業利益は31%減の1389億円だった。