【日経QUICKニュース(NQN)】米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は6日の開発者向けイベントで、人工知能(AI)向け半導体の新製品「MI300X」を発表した。最大手のエヌビディア製に勝るAI処理能力を持つと強調し、マイクロソフトなどが採用を決めたことも明らかにした。AI半導体の市場規模は2027年に4000億ドルに拡大すると見込み、従来見通しの1500億ドルから2倍以上に引き上げた。
リサ・スー最高経営責任者(CEO)は「生成AI向けでは世界で最も高性能のアクセラレーター(高速演算システム)である新たな画像処理半導体(GPU)MI300への非常に強い需要がみられる」と語った。新製品のデータセンター向けMI300Xは新設計と最先端メモリーの搭載などでデータ処理能力が一段と高速化し、大規模なAIモデルに対応できる。エヌビディアのAI向けGPU「H100」よりも高速処理が可能になると説明した。
マイクロソフトやメタプラットフォームズ、オラクルなど複数のハイテク大手がMI300Xの採用を既に決めたと発表した。本格的な出荷は2024年前半とみられる。価格は明らかにしなかった。米CNBCによると、スーCEOは購入と運用のコストをエヌビディアよりも低くする必要があると述べたという。エヌビディアのH100は約4万ドルとされる。