【日経QUICKニュース(NQN)】格付け会社S&Pグローバル・レーティングは19日、米ソフトウエア会社のアルティウムの買収を計画しているルネサスエレクトロニクス(6723)について「(買収が)実行されれば財務余力は大幅に低下する」とのコメントを発表した。ルネサスは買収を手元資金と借入金で賄う方針を示しており、有利子負債の拡大が信用力に悪影響を与えるとみている。
ルネサスは15日、半導体を載せる電子基板を設計するアルティウムを約91億オーストラリアドル(約9000億円)で買収すると発表した。S&PはEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)に対する有利子負債の比率が買収完了後の24年12月期には1.7~1.8倍と、23年12月期(0.5倍程度)から悪化すると試算。さらに格付け分析上は「大型買収を多用する財務方針を持つことはマイナス」とも指摘した。
S&Pはルネサスの長期発行体格付けを「トリプルB」としている。