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花王(4452) 構造改革の効果で今期は利益水準が向上へ

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2024/05/13)

・サマリー
 24/12期通期の連結営業利益について企業価値研究所では、前期比2.3倍の1370億円を予想する。23/12期に計上した構造改革費用を除いたコア営業利益ベースでは、同19%増となる見込み。原発処理水の海洋放出問題で中国での化粧品販売が振るわないが、高付加価値化や構造改革の効果による収益性向上、ケミカル事業での拡販などで利益水準の回復が進む見通し。今後はROIC(投下資本利益率)を重視して収益性の向上を目指す方針で、構造改革の一段の加速に期待したい。

・アナリストの投資判断 ~足元の株価には割高感。今後は神経質な値動きに
 4月上旬の香港の投資ファンドからの株主提案を契機に、同社の株価は上昇。直近では当研究所の24/12期予想連結PERで約31倍と、過去の平均並みである27倍を上回り、やや割高感がある。当面は同30倍程度の評価が妥当であり、販売回復や構造改革の効果による収益性改善の進展を確認しつつ、神経質な値動きになると考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

伊藤 健悟

シニアアナリスト

化学・繊維セクター担当


【プロフィール】
大阪大学経済学部卒業。山一證券入社、メリルリンチ日本証券を経て、現在に至る。
山一證券在籍時は個人向け営業に従事。マクロ、ミクロの両面からの事業環境・経営状況の分析に加え、その際に培った個人投資家の視点も重視しつつ、レポートの作成や講演などを行うことを心がける。


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