【日経QUICKニュース(NQN)】カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリング(9983)が1月9日発表した2024年9~11月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比22%増の1319億円だった。市場予想のQUICKコンセンサス1085億円(24年12月6日時点、4社)を上回った。国内外でユニクロの販売が好調だった。
売上高にあたる売上収益は10%増の8951億円、営業利益は7%増の1575億円だった。国内ユニクロでは11月の防寒衣料の販売が伸びたほか、創業40周年感謝祭による販売促進も寄与した。海外ユニクロでは東南アジアや北米、欧州などが好調だった。ただ、中国大陸では暖冬に対応した商品構成が不十分だったことなどから、減収減益となった。
25年8月期通期の業績予想は据え置いた。売上収益は前期比10%増の3兆4000億円、純利益は3%増の3850億円を見込む。
■岡崎CFO、減収減益の中国「消費意欲高まらず」
ファーストリテイリングが同日開いた決算説明会で、岡崎健最高財務責任者(CFO)は海外ユニクロ事業について「中国が計画を下回る進捗だ」と話した。原因としては中国大陸において「消費意欲が高まっていない」と説明。「24年10月の国慶節商戦は好調だったが、11月にかけて気温が高く、落ち込みをカバーできなかった」と話した。
中国における店舗のスクラップアンドビルドの進捗については「計画通り進めており、中長期で成果が出てくる。しばしお待ち頂ければと思う」と述べた。そのうえで「地域別の商品構成の見直しや在庫調整などきめ細かにできたかというとまだ不十分だ」との認識を示した。
■ユニクロ、12月の国内既存店売上高15.3%増 冬物好調
ファーストリテイリングが9日発表したカジュアル衣料品店「ユニクロ」の2024年12月の国内既存店(直営店、電子商取引=EC含む)売上高は、前年同月比15.3%増だった。増加は2カ月連続。客数は11%増、客単価は3.9%上昇した。気温が低く推移し、冬物衣料の販売が好調だった。年末祭のセールも寄与した。