【日経QUICKニュース(NQN)】2月5日の東京株式市場で、イビデン(プライム、4062)が急落している。制限値幅の下限(ストップ安水準)である前日比700円(15.55%)安の3800円まで下落し、昨年来安値を更新した。4日に発表した24年4~12月期の連結決算は、営業利益が前年同期比6%減の348億円だった。市場予想平均であるQUICKコンセンサスの382億円(1月21日時点、10社)を大きく下回り、嫌気した売りに押されている。
主力の半導体関連部品「ICパッケージ基板」事業で、パソコンや汎用サーバー向けの需要が減った。みずほ証券の後藤文秀シニアアナリストは4日付リポートで「24年4~12月期の実績は期待に届かない内容」と指摘した。
インテル向けの半導体基板の収益性悪化を背景にイビデンは昨年10月に今期の見通しを引き下げていた。しかしイビデンは米半導体大手エヌビディア向けに半導体パッケージ基板を提供しているとみられ、生成人工知能(AI)市場拡大が期待されるなか、新たな見通しは保守的との見方が多かった。後藤氏は「足元の利益水準低下を受けて再評価のタイミングが後ずれする」とみていた。