28日の米国市場で電気自動車EV大手のテスラが大幅続落し、7.66%安の257.78ドルで終えた。一時は252.10ドルまで下げ、2017年3月22日以来、約1年ぶりの安値圏に沈んだ。
27日に米運輸安全委員会(NTSB)が先週起きたテスラの多目的スポーツ車(SUV)の死亡事故で調査を行っていると表明して前日も売りが優勢な展開だった。27日夕には米格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが量産車のモデル3の生産の遅れを理由に格付をB2からB3に1ノッチ引き下げた(S&PでシングルBからシングルBマイナス相当)。いわゆるジャンク級である。キャッシュフローがマイナスの中で流動性が逼迫しているなどと指摘し、前日の時間外取引で一段安となっていた。
28日の米社債市場で、テスラの社債利回りは7%を超えて急上昇(価格は急落)。信用リスクを警戒する動きがみられた。なお、QUICK FactSet Workstationによれば28日終値時点でテスラの時価総額は435億ドルとなり、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM、497億ドル)を下回った。テスラの時価総額は2017年4月に初めて終値ベースでGMを上回ってEV時代の到来を象徴する状況となっていたが、最近の株価下落を受けて状況が変わりつつある。
<ニュービッグ3の時価総額推移>
(注)QUICK FactSet Workstationより作成
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