テスラの株価が下げ止まらない。22日の米株式市場は前日比6%安の192.73ドルと6日続落で終え、株価は約2年半ぶりの安値水準まで落ち込んだ。時間外取引でも190ドル台に一段と下げている。
米中貿易紛争で中国での需要減少が進む可能性があるとの見方が広がっており、アナリストの目標株価の引き下げが相次いでいることを嫌気している形だ。年初からの下落率は42%にのぼり、潮が引くようなテスラ離れだ。
シティグループは21日付レポートで需要やフリーキャッシュの減少などが懸念されるとし、目標株価を238ドルから191ドルに引き下げたようだ。さらに最悪の場合は36ドルまで下落するという。
米経済専門チャンネルのCNBCも22日、「モルガン・スタンレーのアナリストのアダム・ジョーンズ氏が顧客との電話で『テスラがアマゾン・ドットコムやアップルなど、大手ハイテク企業によるテスラ買収をあてにしてはいけない』と述べ、冷や水を注いだ」と報じた。モルガンのジョーンズ氏は21日付のリポートで弱気シナリオでテスラの株価は10ドルになると指摘し、衝撃的な内容が市場で話題になったばかり。機関投資家との電話でジョーンズ氏は、アップルやアマゾンなど大手ハイテク企業が交通機関に関心を持っていることを認めつつ、「モルガンのリサーチでは、アップルが2030年代までに交通関連のサービスやハードウェアを持っているとは見込んでいない。自動運転のレースは10~20年かかるマラソンだ」などと述べ、自動車業界を取り巻く規制、技術的な問題に取り組むのは時間が掛かると指摘していたという。(根岸てるみ、片平正二、岩切清司)
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