日銀の「長期金利目標の柔軟化」報道を受けて荒れ模様となった23日の金融市場。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは前週末比0.050%高い0.080%で取引を終え、日銀の緩和縮小が為替の円高をもたらすことを警戒する向きもいる。ただ、日本の金利上昇の影響もあって23日の米10年金利は前週末比0.063%高い(価格は安い)2.958%で終えた。結果的に日米の長期金利の差は拡大した。
日米金利差の縮小を見越して一時売られたドルも反発し、再び1ドル=111円台で推移。米国のファンダメンタルズの強さや日米金融政策の方向性を踏まえると、「多少円高に振れても、大幅な円高・ドル安は想定しにくい」(アナリスト)とみる向きが多い。(池谷信久)
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