QUICKコメントチーム=片平正二
8日の株式市場で東証株価指数(TOPIX)は上昇したが、相場はいまだ方向感に欠ける展開。そうした中でサポート要因として期待されるのが本石砲(日銀のETF買い)だ。
日銀は今年に入り、前引け時点のTOPIXの下落率が0.4%未満の日にはETF買いを見送っていたが、4日に前場のTOPIXが前日比0.27%安で終えた際に本石砲を発射していた。7日は前引け時点のTOPIXの下落率が0.19%安で本石砲を見送っており、年6兆円ペースの目標から8436億円(本石砲11回分)も買い入れが少ないことから積極的な買い入れが期待されそうだ。
日銀は2018年には年末にかけて積極的なETFの買い入れを行っており、昨年10月は12回、11月は7回、12月は11回のETF買いを行った。営業日に対する割合はそれぞれ54.5%、33.3%、57.9%だった。
今年は年間で243営業日あり、毎営業日12億円を買っている設備投資関連のETFの2916億円の分を除けば、年6兆円ペースを達成するには5兆7084億円のETF買いを行う必要がある。あと60営業日で、目標達成に残り必要額は2兆1840億円。1回あたり700億円強なら本石砲を31回発射する必要があり、営業日に対する割合は51.6%となる。つまり、年6兆円ペースを達成するためには今後、営業日ベースで5割以上の買入に踏み切る必要があることになる。市場でETFのステルステーパリング懸念を高めないためにも積極的な買い入れが期待されそうだ。
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