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低調売買、裁定売り残急増、そして金融政策 浮かび上がる因果関係

QUICKコメントチーム=大野弘貴

閑散相場が続いている。指数の水準に大きな変化がない割に、市場にはどこかあきらめムードが漂う。

それを如実に表しているのが取引量だ。8月の1日当たりの平均売買代金は1兆9823億円と3カ月連続で2兆円を下回った。3カ月連続で1日当たりの平均売買代金2兆円を下回るのは5年ぶりで、低調な記録が目立つ。9月に入っても傾向は変わらず、2日の東証1部の売買代金は約5年4カ月ぶりの水準に落ち込み、米国の祝日「レーバー・デー」明けとなった3日の売買代金も1兆3874億円、4日も1兆5931億円と復調の兆しは見られない。もはや夏休みなどの言い訳が通じる状況ではない。

一方、大阪取引所(OSE)が2日に発表した8月のデリバティブ合計取引高は8月としては過去2番目を記録した。中でもナイト・セッション(NS)の取引高シェアは47%と過去最高を更新した。足元の投資環境が、海外動向にかなりの影響を受けている様子が伺える。

ここまで売買が細った背景に米中通商問題と先行きの景気後退リスクがあるのは明白だが、理由はそれだけではないかもしれない。考えられる1つの要因として存在感を増した日銀のETF買いがある。

アベノミクス初期は、海外投資家の買いが相場上昇をけん引したが、その海外勢の14年度末以降の日本株の保有比率は低下傾向にある。昨年来から続く日本株の売却では拍車がかかり、この売りを吸収した主体の一つが日銀だった。日銀のETFの買い入れを反映する信託銀行の保有比率は12年以降、上昇傾向にある。

その日銀のETF買いについて、市場関係者が関心を寄せているのが、8月に急増した裁定売り残との関係だ。

日銀のETF買いと裁定売り残増の因果関係は以下のようなオペレーションが「橋渡し役」として考えられるという。

 日銀がETFを買い入れる際、信託銀行の特金を通じ証券会社に発注する
 →証券会社は保有している現物株を運用会社に提供し、運用会社は受益権口を発行
 →証券会社は保有している現物株の売却に伴うエクスポージャーをヘッジするため、先物を購入する→裁定売りとなる
 →信託銀行の特金に、買い入れたETFの受益権口が計上される

他には金利の低下を指摘する声も聞かれる。「短期金利がプラスである場合、先物は現物に対しコストがかかりがちだ。しかし、足元の短期金利がマイナスの状況ではコストがかからないことから、現物を買わなくてもいいというインセンティブが働きやすい」(外資系証券)。

そもそも「裁定取引に係る現物株式の売買及び現物ポジションの報告は明確なルールが定められていない。例えば自己ポジションのみ報告して委託ポジションを報告しなかったり、ヘッジ目的のみ報告して純粋なトレードを報告しなかったり。証券会社ごとに対象が異なるため、連続性はない」(国内証券トレーダー)との声がある。実態を把握するのは難しく、安易に相場展開と結びつけるのは注意も必要といえそうだ。

ただ、「裁定売り残自体は、日銀によるETFの買い入れが始まった時から拡大する傾向になってきました。他にも当然、先行き不安で先物売りを入れていたり、一段の金利低下で先物価格が現物より割安になった理由もあると思われる。過去最大に膨らんだ裁定売り残は、こうした要素が合致したためと考えられそうです」(ストラテジスト)との声も聞かれている。

※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。


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