18日の日経平均株価は3日続伸。上げ幅は前週末比325円と大きく、長らく上値の節目とされていた2万3000円を一気に突破し2万3420円54銭で引けた。ただ、取引時間中から主体の見えない買いに市場は疑心暗鬼。QUICKデリバティブズコメント、エクイティコメントの取材で、こんな指摘が聞こえてきた(タイムスタンプは記事の配信時間)。
10:48
「日本時間朝方に米国が中国に対する制裁関税第3弾を発表し、米株先物のみならずアジア株全般も小安く推移しているが、日本の株式相場だけ反応が異なっている。基本はポジションのアンワインドでは? 前週末には海外勢が先物買いを進めた様子が手口で確認できていた。年初からの累計で海外勢は先物を大幅に売り越しているため、依然買い戻しを進めているということではないでしょうか。いつまで続くかというのは判然としませんが……」(国内証券)
10:52
「強い理由はよくわからないね。示唆するようなフローが見えてないから。9月末の中間決算企業の配当を再投資に回す需給を考えると、売り方が見送り姿勢なのかもしれない。それにしたって強い。腰の入った買いにも見える。国内機関投資家がこのように買いを入れてくるとも思えないし。外国人かなー。自民党総裁選で安倍総裁の圧勝を織り込み始めたのだろうか。海外勢はこういうテーマ、好きだからね。年初に大量に売った後、ポジションを穴埋めしてないよね。このまま年末を迎えるとも考え難い。買いの入り方を見ていると短期筋ではない。CTAではないよね」(外資系証券トレーダー)
11:05
「ブローカー各社の動向を聞くとオーバーナイトオーダーがそれなりに多いとの話。ロングオンリーが売りを出したという話もある一方でパッシブの買いが入っている様子。個別でも売り買いともに規模の大きいオーダーがあるようで、半導体の一角には売りが出ている一方で医薬品には買いが入っているもよう。全般的にはショートカバー中心ではないかとみられますが、海外勢が戻ってきた形でしょうか」(投資顧問)
11:17
「強いですね。国内の地銀などはやはりETFの売りが多い。ただし、個別で下げを拾うような買いオーダーもありますね。売り一辺倒という形ではない形ですが、基本は静かです。指数の上昇に比べると体感温度は低い状況です」(トレーダー)
11:28
「株価指数先物はショートポジションがややあきらめの買い戻しを入れていると聞きました」(投資会社)。日経平均株価が2月上旬に開けた窓を埋めるなど上昇基調が強いものの市場関係者は困惑を深めるばかり。アジア市場では上海総合とジャカルタが上げているが台湾や香港は下落するなどまちまち。「変な動きですね」との声が増えている。
12:06
「可能性は高いよね」(外国証券)。日経先物は東証昼休み時間中に310円高の2万3280円まで上昇し、上げ幅を300円以上に広げて堅調な展開となっている。日経平均株価が273円上昇した前週末14日の先物手口では、G.サックス証とクレディスイスが両先物を大きく買い越していた。きょうも強い展開となっているが、市場の見立て通り、海外勢とみられる買い方が引け後の手口で確認される可能性は高いのだろうか?
13:11
「上昇相場のマグマはたまっていましたよね。何度となく2万3000円をトライして突き返されていたから。ただ、ファンダメンタルズに依拠するロングオンリーの投資家などはまだ動いていないと思います。むしろいまだにリスクを落としたいと考えているくらいだから。足元では、短期筋が一堂に会してショートカバー、そして新規のロングに入っているのだと思います。相場の景色が変わったかって? ちょろっと変わった程度じゃないですか。ファンダメンタルズ系の人たちが入ってくるのは1月の高値、2.4万円突破の局面。そこまではまだ。気を付けたいのは11月の米中間選挙。意外に選挙後もトランプさんは中国などに強硬姿勢を示す可能性もゼロではない。こうなると投資の前提が崩れます。米株からダレますね」(外資系証券トレーダー)
13:20
「上げ方が尋常じゃない。誰が買っているか、噂も出ていません。先物のショートカバーであれば買い戻して終了、となるが、売りを吸収して淡々と買い上げている印象。ここまで相場が上がるといったん売りを出したいが、何も材料がない中で上がり続けており、売り崩すのも怖い」(外資系証券セールス)
13:37
「今月は25日が配当権利付き最終売買日、翌26日が配当落ち日。25日の大引け値、もしくは26日寄り近辺では、日経平均型で1000億円強、TOPIX型で3300億円程度、JPX日経400型で400億円ほどの配当の再投資需要が想定される。合計では約4700億円となるが、MSCI型も含めればさらに膨らむ。7000億円程度まで膨らむ可能性もある」(トレーダー)
13:38
CMCマーケッツのチーフ・マーケット・ストラテジスト、マイケル・マッカーシー氏(在シドニー)は18日、日経平均株価の大幅上昇について「14日に上値メドだった2万3000円を上回り、強い『買い』のサインが出た。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことも、株価を押し上げた。(25%でなく10%にとどまった)トランプ関税も、中国や米国で事業展開する日本企業への買い材料になったのだろう」などと語った。
13:58
「2012年のアベノミクス当初や17年の衆院選前のような買われ方をしている印象を受けます。短期マネーではなく、欧州年金などリアルマネーの買いが積水ハウス(1928)やテルモ(4543)、キヤノン(7751)、住友商事(8053)などに入っているようです。安倍晋三首相の3選がほぼ確実となり、消費増税の延期を含めた政策期待があるようです」(市場関係者)
14:20
「強いですね……朝からの切返しにはびっくりしました。先週前半にモルガン・スタンレーが、GAFA調整でその資金が日本株に向かうとのNoteを出して、その通りになってますね……」(ヘッジファンド)
※QUICKデリバティブズコメント、エクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物・現物株を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。