日本電産(6594)が業績下方修正に追い込まれた。2019年3月期通期の連結営業利益(国際会計基準)は従来の増益予想(1950億円)から一転、前期比13%減の1450億円にとどまる見通しだ。敏腕経営者として知られる永守重信会長でも米中貿易摩擦の影響は読み切れなかった。ただ、18日の株式市場で日電産株は寄り付き直後こそ急落したものの、その後は下げ渋る展開に。株式市場関係者からは永守氏の積極的な経営に変化はないとの指摘のほか、業績のV字回復が見込まれるなか、日電産株は絶好の買い場との強気な声も上がった。
イラスト:たださやか
8:54 日電産が朝のPTSで10%安で約定
前日に業績予想を下方修正した日電産が朝のPTSで10.44%安の1万1100円で約定した。東証の寄り前気配は1万1000円を下回っている。
9:12 「日電産は1万1000円割れなら絶好の買い場ですが・・・」
「米中の通商問題の影響もあって、ある程度受注が落ち込むとはみていました。そのため今回の業績下方修正は現時点で当たり前という受け止めです。1万1000円割れなら絶好の買い場とはみています。きょうは売り優勢となるとみられますが、売り一巡後に反転するかどうか。日電産の株が持ち直していけば全体への波及効果は高いとみています」(国内投信)
10:07 「日電産のように突然、下方修正を出すリスクにやや警戒」
「23日の決算発表を前に、いきなり下方修正してきましたね。来週はまだ国内企業の決算発表が少ないのですが、日電産のように突然、下方修正を出すリスクにやや警戒でしょう。そうなると主力株よりはマザーズなどの中小型株の循環物色の方がトレードに向いてそう」(国内証券)
10:12 「日電産、うちはもう対面で買い越しですよ」
「うちのお客さん、日電産を買ってますよ。ベテランの営業マンが好きな銘柄ですしね。前日までに『悪い内容だったら押し目いれましょう』って待ち構えていたんだじゃないかな。この時間のフローは対面営業だと既に買い越しです。ポイントは安川電(6506)。悪かった後に戻してる。このイメージで臨んでいますね。相場全体についても営業マンには『強気でいけ』と指示を出してます!日立(6501)も値もちがいいですしね」(中堅地場証券幹部)
10:39 「日電産は基本、優良銘柄」
「日電産は基本、優良銘柄だからね」(外資系)
1万2000円台を回復して下げ渋り。一時は1万1405円まで下げて昨年来安値を更新して7%超の下げとなったが、朝安後は東証一部の売買代金ランキングのトップで商いを伴い底堅い展開となっている
10:56 「日電産、HFは寄り付きから買ってたよ。買いのGOサイン待ち」
「寄り付きから下げたけど、ヘッジファンド勢は買い向かってたよ。すごいね。その結果としてこの戻りだからね。日経平均も強いけど、日電産は採用銘柄ではないのに・・・。そもそも今さら米中貿易問題をテーマに売るんですか?という感じ。むしろ既に昨年末の下落でいったんは織り込んだ。ムニューシンの話なども考えると、この問題の落としどころがそろそろ見えてくるその先の展開を見据えて買ってるんだと思う。要するに『買いのGOサイン』待ち。強気です」(外資系証券トレーダー)
13:29 「店内の個人は安川電や日電産は売り越しています」
「きょうは安川電の上げが目立っていますね。ショートカバーによる買いが入っているのでしょう。店内の動向をみると、安川電は午後6対4で売り越しです。個人投資家は利益確定売りに動いているとみられます。前日に業績見通しを引き下げた日電産は午前は買い越しでしたが、午後に売り越しに転じています。マザーズ銘柄指数は午後も堅調ですが、一部の銘柄が大幅安になるなど、そろそろ新興株も天井が近いようにも見受けられます」(ネット証券)
15:00 下落幅を縮小
日電産の株価は13時45分、前日比45円安まで下値を切り上げた。大引けにかけては戻りは鈍くなったが、後場の売買高は前場の2分の1以下と売りの勢いは細った。前日比1%安の1万2255円で終えた。(片平正二、中山桂一)
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