日銀が、残存期間「10年超25年以下」の国債買い入れオペを200億円減らし1800億円とした。この期間の買い入れ減額は2018年7月19日以来。長国オペとしては、2018年12月14日に「5年超10年以下」を減額して以来となる。
今回の減額は、超長期債の「需給ひっ迫」への配慮が背景にある。20年債利回りは8日、0.400%と2016年11月以来の水準まで低下した。市場では「今月中は日銀オペの減額はない」(証券会社)との見方が増えており、年度末に向けて一段と金利低下が進む可能性が高まっていた。行き過ぎた金利低下を抑制することに加え、「オペの柔軟性」を市場に示すために、コンセンサスに反して動いた面もある。また、米長期金利は1月初旬にボトムを打って上昇しているにも関わらず日本は低下している。「市場機能」という観点から問題との判断もあったようだ。
同時に通知した「25年超」ではなく、「10年超25年以下」だった理由は、「20年債の需給のタイトさが顕著だった」(市場関係者)ことに加え、同期間のオペ額が500億円しかなく、減額余地が乏しいことも一因と見られている。(池谷信久)
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