21日の米国市場でバイオ医薬品のバイオジェンが大幅に3日続落し、前日比29.23%安の226.88ドルで終えた。エーザイ(4523)と開発中のアルツハイマー型認知症の治療薬候補「アデュカヌマブ」について、臨床試験を中止すると21日付で発表。一時は224.6001ドルまで下げて2016年7月5日以来、2年8カ月ぶりの安値圏に沈んだ。十分な治療効果を証明できない見通しが強まったという。
iシェアーズ・ナスダック・バイオテクノロジーETFは1.06%安にとどまったが、21日の米国市場でエーザイのピンクシート(ESALY)は35.01%安の52.60ドルで急落。1ドル=110円80銭で試算した円換算値は5828円となり、20日の東証終値(9065円)を35%下回った。22日のストップ安水準(7565円)を大幅に下回る水準となる。22日午前の東証では、エーザイの気配値はストップ安水準まで切り下がった。
野村証券ではエーザイの投資判断を前回の「バイ」から「リデュース」に格下げしたもようだ。同証券では同薬剤をアルツハイマー病の最大の希望と考えていたため、試験中止が大きなネガティブサプライズと指摘しているようだ。野村は想定するアデュカヌマブの成功確率を50%から0%に、目標株価を前回の1万7000円を6000円に引き下げたようだ。(片平正ニ、山口正仁)
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