25日の米株式市場でフェイスブックが続落し、前日比1.95%安の188.84ドルで取引を終えた。株価は上昇基調にあり5月に付けた高値を視野に入れつつあるが、同社が中心となって開発を進めている仮想通貨(暗号資産)に対する、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言を嫌気した売りが優勢となった。
パウエル議長は同日、仮想通貨「リブラ(Libra)」に対して「規模を考えると、消費者保護の観点や規制の観点から(同通貨に対する要求として)私たちの期待は非常に高いものになるだろうと」との姿勢を示した。リブラがサービスを開始するまでに解決すべき課題の多さが改めて意識された格好だ。重要インフラを担うIT大手が信用不安やサイバー攻撃などに直面した場合の危険性には国際決済銀行(BIS)も警戒感を強めている。
また、18日に米下院金融委員会のマキシン・ウオーターズ委員長はリブラの「開発を停止することに合意するよう求める」との声明を発表している。仮想通貨に対する規制の枠組みが確立されていないことを危惧しているほか、27億人のユーザーを抱えるフェイスブックへの個人情報保護対策に懸念があり、規制当局や議会の精査が必要との見解が示されている。(川口究、大野弘貴)
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