世界景気は拡大基調維持も、長期金利および原油市況の上昇などに注意
国際通貨基金(IMF)は18年4月に発表した「世界経済見通し」で、前回1月に上方修正した世界の実質GDPの成長率の予想を今回、据え置いた。貿易摩擦の高まりなどのリスク要因を指摘しつつも、世界景気は堅調な推移が続くとの見通しだ。
金融市場の動きでは、米国の長期金利が4月下旬、4年ぶりに3%の大台を突破。また、原油市況は、WTI先物が1バレル=70ドル台に乗せるなど、3年5カ月ぶりの高値圏で推移している。長期金利や原油市況の上昇が継続することは、世界景気の減速および内外主要企業の経営コストの増大の要因となるだけに、米中の通商政策、地政学リスク(イラン、シリアなど中東情勢ほか)を含め、注意が必要といえよう。
引き続き、「企業価値を持続的に向上させ得る」企業群に注目したい
世界経済は米トランプ政権の政策展開などを含めて懸念材料が山積するなか、減速しつつも拡大基調を維持し、内外主要企業の堅調な業績も寄与して、株式相場は上昇傾向が続くと企業価値研究所ではみている。注目業種に関し当研究所では前回、「米中貿易紛争の行方、日米金利差が拡大するなかでの外国為替相場の動きなどを見据えつつ、物色対象は目まぐるしく変化する可能性がある。銘柄選択に関しては、『利益および配当の持続的成長』など『企業価値を持続的に向上させ得る』企業群に注目したい」としたが、今回も同様の見方を継続したい。国内企業の経営体質は20年にわたるデフレの時代を経て格段に強化されており、M&A(企業の合併・買収)などを含む成長戦略、株主還元などにおいて新機軸を打ち出す余力は十分にあるとみている。
執筆:QUICK企業価値研究所 チーフストラテジスト 堀内敏成
(提供:QUICK企業価値研究所)
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