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三井物産(8031) 当研究所予想を微修正するが、最終増益は続くと予想

QUICK企業価値研究所アナリスト 堀内敏成(2019/09/10)

・20/3期1Qは資源分野が牽引、最終増益
 20/3期1Qの連結業績は、純利益が前年同期比5.6%増の1250億円となった。同社は「中核分野」として、(1)金属資源・エネルギー、(2)機械・インフラ、(3)化学品を挙げている。このうち、(1)金属資源・エネルギーは、金属資源(鉄鉱石市況の上昇が寄与)およびエネルギー(一過性要因に加え、トレーディングも好調に推移)の両セグメントが大幅な増益となり、全体を牽引した。

・21/3期以降の予想を小幅減額。最終増益が続くと予想
 企業価値研究所では、20/3期通期の純利益予想に関し、鉄鉱石事業の好調などを踏まえて、下表「業績データ」の通り、小幅増額。一方で、21/3期以降については、世界景気の減速傾向を踏まえ、小幅ながら減額した。小幅増益ではあるものの、過去最高益の更新が続くと見込む。
 同社の強みは三菱商事と並び、大手資源メジャーとの長期にわたる関係などにより、大口かつ良質の資源上流権益を取得する機会に恵まれ、実際に保有すること。今後は、これら各種案件が収益貢献する見通し。

・リスクファクター ~鉄鉱石の市況、中国の景気等

・アナリストの投資判断 ~米中対立の長期化などへの警戒感などから、株価は短期的に上値の重い展開に
 株価は18年10月に08年8月以来の高値2120.0円をつけた。年末にかけ、10月以降は内外の株式相場の急落とともに下落。19年に入り持ち直し、7月に年初来高値1830.0円をつけたが、直近は1700円台で推移。株価は、割安な株価バリュエーション、比較的高い配当利回りが下値を支えると見込むが、米中対立の長期化、世界景気の一段の減速への市場の警戒感は根強く、株価は短期的に上値の重い展開となろう。ただ、中長期的には、保有する大口かつ良質の資源上流権益などを背景とする業績拡大期待により、株価は回復に向かうと予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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