日米株が乱高下するなか、国内上場企業の2017年4~12月期の決算発表が続いている。国内外の景気拡大や円安を背景に通期予想を上方修正する企業も少なくない。それでもなお通期計画に対する業績の進捗率が高い企業が多く、一段の業績上振れが期待されるところだ。2月以降の米国発の世界同時株安をきっかけに、日本株でも銘柄を問わず全体的に買われる従来の相場が転換点を迎えたとの見方もあり、個別企業の業績にこれまで以上に関心が集まりやすい地合いになりつつある。
QUICK端末のナレッジ特設サイト「業績修正確率&着地予想」では、足元の収益の進捗率や過去の傾向を加味しながら、売上高や利益の今後の業績修正確率をはじいている。
上方修正と下方修正の確率を高い順、低い順にそれぞれ並べ替えられるほか、同時に過去の統計データを基にした解析エンジンで試算した業績の着地予想も記載しているため、会社予想と比べた乖離(かいり)具合も一覧できる。
「通期予想」の項目の「修正」欄では、直近の決算と同時に企業が業績予想を修正したかどうかを確認できる。「絞り込み」欄で、修正した企業や据え置いた企業だけを表示することも可能だ。
2月8日に決算発表した銘柄で営業利益の上方修正確率が高いものから順に並べ替えると、上位には奥村組(1833)、高砂熱学工業(1969)、日本坩堝(5355)などが顔を出した。3社を含むランキング上位銘柄は、今回の決算でも営業利益予想を引き上げており、かなり勢いをつけているように映る。
もっとも日本坩堝やインフォテリア(3853)のように売上高や利益の水準が低い企業については、変化率が大きい分、業績修正確率が一見高めに出てしまう点は注意が必要だ。そうしたリスクを避けるために、ある程度の企業規模を求める場合には「採用指数」欄で日経平均やTOPIX500など対象を絞り込める。
また銘柄名の横にある「チャート」をクリックすると、業績予想履歴と株価のチャートが現れる。過去の業績予想の推移を視覚的に確認するのに役立つほか、業績修正の可能性の株価への織り込みが進んでいるかをチェックするのにも便利だ。
【QUICKナレッジコンテンツグループ・内山佑輔】