スクエアが5月2日の大引け後(日本時間3日朝)、2018年1~3月期の決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると、4月25日時点の1株利益の市場予想は平均値で調整後のNon-GAAPが前年同期比ほぼ横ばいの0.05ドル、GAAPベースが0.06ドルの赤字(前年同期0.04ドルの赤字)だ。主力の決済サービスが堅調なほか、1月に開始したビットコインの送金ビジネスも寄与するとみられる。
▼市場予想
18年1~3月期
売上高 6億2100万ドル(32.9%増)
1株利益(Non-GAAP) 0.05ドル(0.05ドル)
1株損益(GAAP) 0.06ドルの赤字(0.04ドルの赤字)
※4月25日時点で()内は前年同期。Non-GAAPは30社、GAAPは15社の予想
高収益の企業向け融資サービスの拡大が成長のポイント
スクエアの主力事業は小売店向けの決済サービスだ。スマートフォン(スマホ)やタブレットといったモバイル端末に専用アプリをダウンロードし、小型のカード読み取り機「Square Reader(スクエアリーダー)」をスマホなどに取り付けるとクレジット決済できる仕組み。POS(販売時点情報管理)レジの導入に二の足を踏む小規模事業主を軸に業績を拡大してきたが、足元は大型店向けの売り上げが増加している。四半期ベースの決済額は2ケタ増が続いている。スクエアが2月末に公表した1~3月期の売上高は6億500万~6億2000万ドルだが、市場では6億2100万ドルと若干の上振れを見込む。
今後の成長を占ううえで注目は収益率の改善。利幅が薄いスターバックスとの提携は16年に終了したが、今後は利益率が高いとされる企業向け融資サービス「Square Capital(スクエアキャピタル)」などの事業拡大が必要だ。
ビットコイン取引開始、ドーシーCEO「小さな1歩にすぎない」
スクエアは現在米国で送金アプリ「SQUARE CASH(スクエアキャッシュ)」を手掛けるが、1月末からアプリ「Cash App」を通じてビットコインの取引をスタートさせた(日本での取り引きは不可)。同社のジャック・ドーシー会長兼最高経営責任者(CEO)は、ツイッターに「ビットコインの取引が容易になる。ビットコインをサポートする理由は大きな可能性を秘めているからだ。これは小さな1歩にすぎない」と投稿した。スクエアによると、Cash Appの利用者数は2017年末時点で700万人を突破したという。野村グループの関連会社インスティネットLLCは、4月18日付のレポートでビットコインの取引開始に伴い1~3月期の調整後収益を1~3%押し上げると試算している。
スクエアの株価は3月21日に58.46ドルと上場来高値を付けたが、4月25日の終値は44.75ドルだった。ドイツ銀行証券は4月20日付のレポートで目標株価を57ドルとしている。(根岸てるみ)
年初からのスクエア(青)の株価とビットコイン(緑)の値動き
(注)QUICK FactSet Workstationで作成。2017年末を100として指数化
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