QUICK資産運用研究所=西本ゆき
三菱UFJ国際投信は来月、同社が運用する「eMAXIS Slim」シリーズの一部ファンドの実質信託報酬を引き下げる。いずれも税抜きベースでは業界最低水準に並ぶ。
同シリーズは業界最低水準の運用コストを目指しており、今回引き下げるファンドは10月15日時点で運用している11本のうちの4本。11月12日から変更する。内容は下記の通り(公表資料記載の最大値、年率、消費税10%の税込みで算出)。
■米国株式(S&P500)<03311187>
0.1650%(税抜き0.1500%)⇒0.0968%(税抜き0.0880%)
■全世界株式(除く日本)<03316183>
■全世界株式(3地域均等型)<03312184>
■全世界株式(オール・カントリー)<0331418A>
0.1320%(税抜き0.1200%)⇒0.1144%(税抜き0.1040%)
税込みベースで他社のファンドと比べてみると、米S&P500種株価指数に連動するタイプで業界最低は「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド<愛称:SBI・バンガード・S&P500>」(89311199)の0.0938%。グローバル株式型では「SBI・全世界株式インデックス・ファンド<愛称:雪だるま(全世界株式)>」(8931217C)の0.1102%が最も安い。
「SBI・バンガード・S&P500」は税抜きでは0.0880%、「雪だるま(全世界株式)」は0.1040%で、どちらも同タイプの「eMAXIS Slim」の引き下げ後と同じ水準。ただ、この2本は外国籍のETF(上場投資信託)に投資しており、この部分の信託報酬に消費税がかからないため、税込みベースの実質信託報酬は「eMAXIS Slim」を下回る。実質信託報酬はその投信自身の信託報酬に加え、投資先ファンドの信託報酬も含めて算出している。
また、三菱UFJ国際投信が10月31日に「eMAXIS Slim」シリーズに追加する不動産投資信託(REIT)を投資対象とする2本のファンドも、実質信託報酬(年率・税込み)が業界最低水準になる。「国内リートインデックス」は0.1870%、「先進国リートインデックス」は0.2200%で、りそなアセットマネジメントが運用する「Smart-i」シリーズの同じタイプとそれぞれ同水準に並ぶ。
注)QUICK資産運用研究所調べ。実質信託報酬は年率・税込み。2019年10月15日時点、三菱UFJ国際「eMAXIS Slim」シリーズは11月12日に予定している引き下げ後の数値、10月31日に設定する2ファンド分も記載。対象は原則として各社がシリーズ展開しているインデックス型の国内公募追加型株式投資信託(★印のSBI・バンガードはシリーズ化していない)。実質信託報酬は原則として当該ファンドの信託報酬に投資先ファンドの信託報酬を加えた費用で、目論見書の最大値を採用。同じマザーファンドで為替ヘッジありとなしがある場合は、為替ヘッジなしのファンドを採用。運用成果の連動を目指す対象指数ごとに、実質信託報酬が最安のファンドは水色、最高のファンドはオレンジ色の背景。三菱UFJ国際「eMAXIS Slim」シリーズのグローバル株式型は「全世界株式(オール・カントリー)」を採用、大和投信「iFree」シリーズの国内債券型は新発10年物国債利回りが1%未満の場合の数値。ブラックロックの「iシェアーズ」は投資する上場投資信託証券に係る報酬を含まない(目論見書で明示していないため)。※1~5は記載した指数以外にも対象指数がある投信分類で、それぞれ対象指数は下記の通り。
(※1)FTSE RAFIエマージング・インデックス、FTSEエマージング・インデックス、FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス
(※2)FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
(※3)DBI(ダイワ・ボンド・インデックス)
(※4)S&P J-REIT
(※5)S&PグローバルREIT
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