米労働省が26日発表した新規の失業保険申請件数は、21日までの1週間で328万件となり前週の11.6倍と急増した。過去最高だった69万件もあっさり突破し、新型コロナウイルスが与えた米経済へのインパクトを物語る経済指標となった。米市場ではベテランのエコノミストも驚きを隠せない。パンセオン・マクロエコノミックス主任エコノミストのイアン・シェファードソン氏は発表直後に顧客へ送ったメールで「1996年以来、私は毎日、米経済をレポートしているが、これは私がこれまで見た中で最悪のデータだ」としたためた。
また同氏は「ネットによる申請やコールセンターが申し込みの急増に対応しきれず、請求を受け付けてもらえなかった人も多かったのではないか。これが心配の種として残る。3月から4月の調査期間におそらく500~700万件の請求があると予想する。失業率は6.5~8%に上昇するのではないか。さらにサプライチェーンやビジネスサービスの解雇が加速するにつれ、今後数カ月でさらに増加するだろう。FRBの緊急的な対応と財政措置は悪影響をやや緩和するにとどまるだろう。特に財政出動はまだ十分な規模に達していないことを引き続き懸念している。2兆ドルは大きな規模だが、時を置かずに一段と必要になるだろう」としていた。