QUICK Market Eyes=片平正二
13日の米国市場で、米情報通信セクターの銘柄を投資対象とするバンガード・インフォメーション・テクノロジーETF(VGT)に大規模な資金が流入した。QUICK FactSet Workstationによれば6億6292万ドルの資金流入となり、同ETFとしては2004年1月の設定来で過去最大規模となった。先日はクラウド関連ETFにも資金流入が確認されており、ハイテク株への期待感の高まりが透けて見える。
この日の米国市場でVGTは1.77%安で続落した。ナスダック指数が続落するなど主力ハイテク株が弱含む中でVGTも弱かったが、下がったところでは押し目買い意欲の強さもうかがえた。
VGTの組み入れ上位はマイクロソフト、アップル、ビザ、インテル、マスターカード、米ネットワーク機器大手のシスコシステムズ、アドビ、エヌビディア、セールスフォース・ドットコム、ビジネスソフト大手のオラクルで、この10銘柄で全体の59.7%を占める。全体の資産配分は、ベンチマークのMSCI米国IMIインフォメーション・テクノロジー25/50指数に近く、同指数は米国の大型・中型・小柄の情報通信セクターの銘柄を組み入れている。
バンガードのETFは信託報酬が安いことも資金流入に寄与しているとみられる。同種のSPDRテクノロジー・セレクトETFの総経費率(0.13%)に対してVGTは0.10%だ。
![※バンガードの米IT関連ETFの資金流出入](https://qmwstorage01.blob.core.windows.net/labomediacollection/sites/5/2020/05/ucljpg_b8eb30292c24fb81ab98d6a33a77f6b80e589168_n.jpg)
※バンガード・インフォメーション・テクノロジーETFのファンドフロー
(QUICK FactSet Workstationより、単位・百万ドル)
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