NQN香港=林千夏
中国の警察を束ねる公安部の締め付けが台湾株に思わぬ恩恵を広げている。中国公安部は6月1日から、中国でバイクや電動自転車などを運転する際のヘルメットの不着用を厳しく取り締まる。いよいよその時期が近づいており、ヘルメットの需要が急増中。素材となる合成樹脂の台湾メーカー株は大にぎわいだ。
19日の台湾株式市場で合成樹脂銘柄が軒並み上昇した。国喬石油化学は前日比1.35台湾ドル(9.78%)高の15.15台湾ドルまで買われた。
中国の新時代証券によると、ヘルメットは中国でおよそ2億個が不足しているという。ヘルメットの販売個数がこれまでの10倍以上に増えている店舗も出てきた。一方、大手メーカーでも生産できるのは1日2000個程度とされる。このためヘルメットの出荷価格が足元で3~4倍に跳ね上がっているそうだ。
台湾メディアによれば、ヘルメットの原材料はABS樹脂が一般的。中国のABS樹脂相場は原油価格の回復とともに5月に入って上昇が続いているが、さらにヘルメット需要が価格を押し上げるとの観測が広がっている。
19日の台湾市場では国喬石化のほか、台湾化学繊維や台達化学工業といった大手ABS樹脂メーカーも買いが優勢だった。中国公安部が取り締まりに本腰を入れると、ヘルメット相場が一段とにぎわうかもしれない。
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