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塩野義製薬(4507) 前期は「ゾフルーザ」の苦戦、今期は特殊要因から減収・減益

QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2020/06/18)

・約200億円の減益要因等から今期は減益予想
 企業価値研究所予想の21/3期の連結業績(国際会計基準:IFRS)は、売上収益が前期比3%減の3240億円、営業利益は同15%減の1120億円。前期比は未監査の20/3期暫定値との比較。インフルエンザの平年ベースの流行規模を前提に国内医療用医薬品は回復を見込むが、約200億円の減益要因により減収・減益予想。
 続く22/3期と23/3期の連結業績は、抗HIV薬および抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」のロイヤリティーの貢献を見込み増収・増益基調が続くと予想する。

・前期は8%減収、10%営業減益
 20/3期の連結業績(日本基準)は、売上高が前期比8%減の3350億円、営業利益が同10%減の1252億円。国内医療用医薬品とロイヤリティー収入が落ち込み減収・減益。国内医療用医薬品はインフルエンザ流行の早期収束等から「ゾフルーザ」が苦戦。ロイヤリティーはHIVフランチャイズは堅調だが、「ゾフルーザ」に関するロシュ社からの受領金が減少。

・リスクファクター ~抗HIV薬の販売動向

・アナリストの投資判断 ~コロナ禍で注目も慎重な投資スタンスで
 株価は18年11月26日に上場来高値となる7796円をつけて以降、株式相場全般を同様か若干アンダーパフォームして推移。新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るう現況下、感染症を重点疾患領域に掲げる製薬企業として治療薬やワクチンなどの開発に期待は高まるが、業績への貢献は不透明。また今期減益予想を発表した後であり、慎重な投資スタンスで臨みたい。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

真下 弘司

シニアアナリスト

医薬品セクター担当


【プロフィール】
00年から現職。医薬品・医薬品卸等を担当。レポート作成に際しては、会社側開示情報に基づく数値分析に、個別取材等の足で稼いだ情報を加えて、平易な文章で誰が読んでもわかるようにと心がけている。また業績のほか、ESG(環境・社会・企業統治)などの観点から企業を評価できないか模索中。


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