QUICK Money World(マネーワールド)

個人投資の未来を共創する
QUICKの金融情報プラットフォーム

ホーム 記事・ニュース 沸き立つ米テレワーク株—ファストリ―やドキュサイン、トゥイリオなど急騰銘柄が続出
この記事は最終更新から1年以上経過しております。

沸き立つ米テレワーク株—ファストリ―やドキュサイン、トゥイリオなど急騰銘柄が続出

米株式市場で在宅勤務に関連したハイテク株が買われている。クラウドベースのソフトウエア企業が中心だ。新型コロナウイルスの収束後も在宅勤務が定着し、持続的な収益成長が期待されている。年初来で株価上昇が目立つ銘柄をまとめた。

■CDNのファストリー

米株市場では6月下旬に在宅勤務の関連銘柄で構成する上場投資信託(ETF)「ディレクシオン ワーク・フロム・ホーム」が上場するなど.在宅勤務は有力な投資テーマになっている。ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズが日本でも知名度を上げたが、ほかにも成長株がゴロゴロしている。

年初来で株価が5倍強に急騰しているのがファストリーだ。コンテンツをクラウドを通じて配信するコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を手掛ける。迅速にデータを更新できるなど高機能な点が評価され、ネット通販支援のショッピファイなど伸び盛りの企業を顧客に持つ。

※ファストリーの株価
※ファストリーの株価

2020年1~3月期の売上高は前年同期比38%増の6292万ドル。決算発表と同時に12月期通期の予想売上高を2億8000万~2億9000万ドルと2500万ドル引き上げた。市場予想(2億6000万ドル)を上回り、買いが加速した。ファストリーと同業のクラウドフレアも投資家の関心が高い。

■電子署名のドキュサイン

電子署名の代名詞ともいえるドキュサインも今年に入って株価が急騰している。米国では手書きのサイン、日本ではハンコが契約書には不可欠だが、電子署名ならオンラインで契約を完了できる。文書の暗号化などセキュリティー対策が技術の要だ。世界で66万社の顧客を抱え、金融の上位7割、製薬の9割の企業が使っているという。

※ドキュサインの株価
※ドキュサインの株価

ドキュサインの20年2~4月期の売上高は39%増の2億9701万ドルと急成長が続く。JMP証券のアナリスト、パトリック・ウォルラベンズ氏は「電子署名の普及率はまだ低く、高い成長の機会がある。ドキュサインはそこで支配的な地位にある」と評価する。

■電話や音声処理機能のトゥイリオ

社員同士や顧客との対話を遠隔で進められるソフトも在宅勤務の普及で需要が急増している。ズームはビデオ会議のスタンダードになりつつあるし、マイクロソフトのビジネス対話アプリ「チームズ」の利用も急増している。その中で株価上昇が目立つのがトゥイリオだ。数行のプログラムを追加するだけで企業のシステムやアプリに電話や音声処理の機能を加えられるクラウドサービスを手掛ける。

※トゥイリオの株価
※トゥイリオの株価

アプリを使って企業の担当者にメッセージを送れ、電話もかけられる。米国では「ウーバー」や「リフト」など配車アプリで利用され、注目度が一気に高まった。顧客対応や遠隔医療などにも利用が広がっている。20年1~3月期の売上高は3億6486万ドルと前年同期比57%増えた。

■セキュリティー対策のクラウドストライクとゼットスケーラー

在宅勤務の普及に伴い、ネットワーク上での情報のやり取りが増えれば、セキュリティー対策も需要になる。この分野で成長しているクラウドストライクとゼットスケーラーの株価も急上昇している。

※クラウドストライクとゼットスケーラーの株価
※クラウドストライクとゼットスケーラーの株価

バンク・オブ・アメリカが6月に米国の就業者1054人を対象に調査したところ、45%が在宅で働き、このうち60%近くが継続を希望していた。市場では「在宅勤務の関連企業は業績の安定成長が見込める」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)と、長期的な株高基調を予想する声が多い。

在宅勤務の普及が追い風になる主な銘柄を一覧にした。クラウドサービスのファストリーは昨年末に比べ株価は5.1倍に上昇。電子署名のドキュサインは2.9倍になった。

〈在宅勤務が追い風となる主な米国株〉

企業名(コード) 事業内容 年初来上昇率
ファストリー コンテンツ配信 5.1倍
ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ ビデオ会議システム 4.0倍
ドキュサイン 電子署名 2.9倍
ゼットスケーラー セキュリティー 2.7倍
データドッグ クラウド監視、分析 2.5倍
トゥイリオ 通信ソフト 2.5倍
クラウドストライク セキュリティー 2.4倍
クラウドフレア コンテンツ配信 2.3倍
バンドウィズ 通信ソフト 2.2倍
エバーブリッジ 緊急時管理ソフト 94.6
オクタ ID管理システム 93.3
ファイブナイン 通信ソフト 84.4
リングセントラル ビデオ会議システム 75.3
アトラシアン 業務管理ソフト 62.6
スラック・テクノロジーズ ビジネス対話アプリ 51.3
フォーティネット セキュリティー 40.1
シトリックス・システムズ デスクトップ仮想化 37.7
マイクロソフト ソフト全般 35.9
アカマイ・テクノロジーズ コンテンツ配信 32.2
ボックス 書類保管・共有 25
     
※ダウ工業株30種平均   ▲9.9
※ナスダック総合株価指数   17.6

(注)年初来上昇率は%。▲は下落。昨年末終値と7月9日終値を比較。

〔NQNニューヨーク  古江敦子〕

<金融用語>

外国ETFとは

特定の株価指数債券指数、商品価格(商品指数を含む)などに連動することを目的として運用される投資信託で、外国の証券取引所上場されており、通常の外国株式と同じように売買できる。いわば外国の証券取引所上場されたインデックスファンドである。 また外国ETFは、目標とする指数・指標に連動する投資成果を目指す投資信託であることから、いわゆるパッシブ運用をおこなうため、相対的に信託報酬などの運用コストが低いのが特徴である。加えて、個別銘柄分散投資をおこなうのに比べると、ETFは少額で分散投資が可能である。

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 古江 敦子


ニュース

ニュースがありません。

銘柄名・銘柄コード・キーワードから探す

株式ランキング

コード/銘柄名 株価/前日比率
1
203
+21.55%
2
201
-17.28%
3
826
-19.17%
4
282
+13.25%
5
241
+15.86%
コード/銘柄名 株価/前日比率
1
1,358
+28.35%
2
5247
BTM
2,254
+21.57%
3
203
+21.55%
4
652
+16.22%
5
239
+14.9%
コード/銘柄名 株価/前日比率
1
827
-19.08%
2
9399
ビート
2,230
-18.31%
3
201
-17.28%
4
1,519
-10.59%
5
1,410
-7.84%
コード/銘柄名 株価/前日比率
1
41,060
-1.67%
2
16,425
-1.08%
3
23,155
-2.5%
4
8,140
-0.9%
5
7011
三菱重
2,208.5
-0.98%
対象のクリップが削除または非公開になりました
閉じる
エラーが発生しました。お手数ですが、時間をおいて再度クリックをお願いします。
閉じる