7月17日に発表された6月の米住宅着工件数は前月比17.3%増の118万6000戸(季節調整済み、年率換算)と急増し、QUICK FactSet Workstationによる市場予想(116万3000戸)も上回った。2カ月連続での増加だった。在宅勤務の拡大によって、郊外や地方での住宅需要が高まっていることも支援材料とされた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大前の2月(156万7000戸)の水準には戻さず、前年同月比でも4.0%の減少だった。先行指標である許可件数も前月比2.1%増の124万1000戸と市場予想(128万戸)に届かなかった。
主力の一戸建て住宅は、中西部、南部、北東部で増加する一方、西部では減少するなど地域間での温度差もあった。また、集合住宅が前月比13.4%減となるなど、コロナ禍での郊外への流出が集合住宅のこれまでのトレンドを反転させるとの悲観的な見方もあった。過去最低水準のローン金利の支援されながらも、感染再拡大や新たな生活様式の浸透によって、先行きには慎重な見方も続いているようだ。
(QUICK Market Eyes 丹下智博)