20日は市場関係者の間で19日夜に放送されたTBS系の連続ドラマ「半沢直樹」が話題になった。今回は証券会社を舞台にしており、初回からいきなり高視聴率をたたき出した。多くの視聴者が証券業に関心を持つとの期待も出ている。
「きょうの店内は半沢直樹の話題で持ちきりだった」――。都内の支店に勤める大手証券の30代の営業担当者は楽しそうに話していた。顧客からも「昨日は半沢直樹を見た。証券会社は大変だね」などと言われ、会話が普段よりも盛り上がったという。
ドラマは俳優の堺雅人さん演じる元銀行マン、半沢直樹の活躍を描く。7年ぶりとなる続編では出向を命じられた証券会社を舞台に、親会社の銀行と対立しながら奮闘するという物語。兜町の街並みや株価を伝える情報端末など証券マンにはおなじみの光景が映し出される。
続編の初回の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ・関東地区)は22.0%。13年の前作シリーズの初回(19.4%)を上回る好スタートを切った。
ある証券会社の20代の営業担当者は「半沢直樹を見て初めて証券会社に興味を持ち、電話をかけてきた投資未経験の女性がいた」と喜んでいた。そのうえで「証券会社の立場からすると突っ込みどころが満載だが、ドラマを通して証券業を知ってもらえると顧客獲得のチャンスにつながるかもしれない」と話した。
ドラマでは銀行出身の証券会社の社長が半沢直樹に「銀行を見返せ」と発破をかける印象的なシーンがある。20日の東京株式市場では業種別日経平均で「証券」が1.26%高となり、上昇率トップ。「銀行」は1.11%高で2位だった。
野村ホールディングス(8604)の上昇率は一時1%を超えた。大和証券グループ本社(8601)は3%高となった。証券マンたちはこれからも半沢直樹の活躍から目が離せそうにない。〔日経QUICKニュース(NQN)松井聡〕