米BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、市場が織り込む期待インフレ率)は3月をボトムに上昇基調が続いている(青線)。一方、米10年債利回りは米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和策を受け0.6%台を中心とした狭いレンジで推移している(緑線)。その結果、7月20日の米債市場で実質金利はマイナス0.8%台半ばまで低下し、コロナ・ショック以降で最低水準を付けた(黄面)。
極めて低い実質金利は景気を下支えるとともに、株式などリスク資産の上昇要因にもなっている。ただ、景気回復期待や財政悪化への警戒感が強まれば、金利上昇圧力は強まる。いかにして金利上昇を抑え金融緩和効果を維持するか、28日~29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での議論が注目される。
(QUICK Market Eyes 池谷信久)