QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2020/07/28)
・1Qは2%営業増益。当研究所の想定を大きく上回る
21/3期1Qの連結営業利益は、前年同期比2%増の281億円となり、企業価値研究所の想定を大きく上回った。4月から永守会長と日産自(7201)出身の関新社長によるトップダウン経営へ回帰、徹底した原価低減や固定費の適正化といった「WPR(ダブル・プロフィット・レシオ)4」プロジェクトの推進が奏功した。新型コロナウイルス禍においても営業増益を達成したことを高く評価したい。
・営業利益予想を増額。来期に過去最高更新を予想
当研究所では、新型コロナの第2波には注意を要するが、1Qの利益が想定を上回ったことを受け、もともと会社計画より強めだった21/3期の連結営業利益予想を、1300億円→1350億円(前期比24%増)へ小幅増額する。前期比較では、買収したエンブラコ社と日本電産モビリティ(旧オムロンオートモーティブエレクトロニクス)の通期寄与、「WPR4」プロジェクトによる収益構造改革などから、3期ぶりの営業増益を予想する。22/3期以降も、積極的な受注活動に邁進している電動車用トラクションモータの貢献などから営業増益が続き、従来想定より1年前倒しの22/3期にも過去最高を更新する見通しとした。
・リスクファクター ~創業者に依存する経営体制
・アナリストの投資判断 ~収益改善を評価。成長期待もあり上値を追う展開を予想
直近の株価に基づく、期を通じて正常な経済活動が可能と想定した翌22/3期の予想PERは、37倍。同社の過去60カ月(一過性費用を計上した20/3期を除く)は、おおむね21~46倍のレンジで推移しており、足元の株価復調後もレンジ内に収まっている。「WPR4」プロジェクトによる収益改善を高く評価、中期的には電動車用トラクションモータの受注拡大などによる成長期待もあり、今後の株価も上値を追う展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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