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日東電工(6988) 1Qは増益だったが、通期では従来想定通りの小幅減益を見込む

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2020/07/29)

・オプトロニクス部門は減収ながら小幅増益を見込む
 21/3期の連結業績について企業価値研究所では、売上収益が前期比6%減の6950億円、営業利益が同8%減の640億円を予想する。売上収益を250億円減額修正したものの、各利益段階は期初の予想を据え置いた。今期は新型コロナウイルスの影響で自動車分野などの需要が低迷。期後半には徐々に出荷が回復するものの、通期で減収、減益が避けられないと考える。ただしオプトロニクス部門は、低採算のテレビ向け偏光板の低迷で売上収益が従来予想や前期実績を下回るものの、好採算製品の拡大とロイヤリティ収益の計上で想定通りの小幅増益を確保できそうだ。続く22/3期には新型コロナの影響も収束して需要が正常化し、業績は回復に向かおう。

・1Qはロイヤリティ収益計上もあって2桁増益に
 21/3期1Qの連結営業利益は前年同期比17%増の174億円となった。インダストリアルテープ部門が新型コロナの影響で苦戦したが、オプトロニクス部門はロイヤリティ収益の計上もあって利益を拡大。ライフサイエンス部門の赤字縮小もあり、連結全体で2桁増益を達成した。

・リスクファクター ~新型コロナ影響の長期化など

・アナリストの投資判断 ~特段の割高感はないが、当面は上値の重い展開を予想
 新型コロナウイルスの感染拡大で6000円台前半から一時4000円強まで急落した株価は、その後徐々に値を戻し、足元ではほぼ急落前の水準を回復。直近では当研究所の今期予想連結PERで20倍強と、同社の過去の平均や電子材料メーカーの平均とほぼ同水準にある。このため特段の割高感はないものの、足元で好調な半導体関連製品や5G関連製品の拡大が見込める他の電子材料メーカーと比較して業績の伸びが見劣りすることもあって当面は現状程度の評価にとどまり、上値の重い展開となりそうだ。

 

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

伊藤 健悟

シニアアナリスト

化学・繊維セクター担当


【プロフィール】
大阪大学経済学部卒業。山一證券入社、メリルリンチ日本証券を経て、現在に至る。
山一證券在籍時は個人向け営業に従事。マクロ、ミクロの両面からの事業環境・経営状況の分析に加え、その際に培った個人投資家の視点も重視しつつ、レポートの作成や講演などを行うことを心がける。


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