NEC(6701)株が3日、一時640円(10.9%)安の5250円と急落した。7月31日に発表した2020年4~6月期連結決算が営業損益が102億円の赤字(前年同期は33億円の黒字)となり、6億6000万円の黒字を予想していた市場に衝撃が走った。
NECは富士通(6702)とともにウィズ・コロナのグロース(成長)株として物色が続き、7月29日には08年以来およそ12年ぶりの高値をつけた。年初からの上昇率は7月31日終値時点で30%を超えた。期待値が高かっただけに、赤字転落を受け、利益確定の売りと失望売りが広がった。
■5Gへの期待
先行きは次世代通信規格「5G」関連の事業にかかっているといえる。4~6月期は5G関連の需要拡大で「ネットワークサービス事業」が全セグメントのなかで唯一、増収を確保した。
5G関連の強みは長期的な収益貢献が見込める点だ。国内ではNTT(9432)、楽天(4755)との取り組みを強化している。SMBC日興証券の担当アナリスト、吉積和孝氏によると、NECは31日の決算説明会で「5G基地局の海外展開に関し近くアップデートできる」と明らかにしたという。吉積氏は「おそらく華為技術(ファーウェイ)排除と報じられた英国に関してだろう。リスク管理の観点から基地局投資は複数の会社に発注しようという動きが各国で出ている」と話す。
※NECの四半期業績の推移(通年の積み上げ)
大和証券の担当アナリスト、上野真氏は7月31日付リポートで5Gに加え、「長期的にはセキュリティー技術、IoT関連事業が拡大を見せる期待は強い」と指摘。世界的な「科学力」で新興企業型の超長期・高成長が期待できるとした。IT関連についての評価は依然高い。
株価については「期待先行で買われていた分、短期的には調整が続く」(国内証券の投資情報担当者)との声がある。ただ、「5G需要以外に第3次補正予算の編成はIT(情報技術)関連が手厚くなりそうで、下期に向けて官公庁向けが盛り上がるかもしれない」(SMBC日興の吉積氏)。5GやIT関連でどう巻き返すのか、今後の注目だ。〔日経QUICKニュース(NQN) 宮尾克弥〕