3日の米国市場でマイクロソフト(MSFT)が大幅続伸し、5.62%高の216.54ドルで終えた。一時は217.64ドルまで上昇して7月9日に付けた上場来高値を1カ月ぶりに更新した。この日のダウ工業株30種平均の上昇寄与度トップで、ダウを79ドル押し上げて指数のけん引役となった。
トランプ政権が規制強化を検討している中国の動画アプリ「TikTok(ティックトック)」に関して、2日に米国事業買収に向けた運営会社の北京字節跳動科技(バイトダンス)との交渉を継続する方針を表明。トランプ大統領は3日、「マイクロソフトか、他の米国の大企業が買うのは構わない」と発言し、米企業によるティックトック買収を容認する考えを表明したが、買収契約の礼金を米財務省に支払うべきだとの考えも示した。これまで個人情報保護で懸念がもたれている人気アプリだったが、米事業買収がうまくいけば業績が拡大するとの見方で大幅高となった。
■米国以外でも買収の可能性
マイクロソフトが買収交渉を継続する方針を示したことを受け、RBCキャピタル・マーケッツは3日付のリポートで「ティックトックは、マイクロソフトに新たな成長市場へのアクセスを提供するユニークな資産だと考えている」と指摘した。マイクロソフトの2日の発表文について「興味深いことに、両社はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでのティックトック事業の買収を検討しているとも書いている」とし、欧州を除く、米国以外の英語圏での事業買収が進む可能性も指摘。ティックトックの資産が一部で500億ドルと評価され、2020年には10億ドル、2021年には60億ドルの収益を上げるとみなされていることを踏まえつつ、投資判断の買い(アウトパフォーム)、目標株価230ドルを維持していた。(QUICK Market Eyes=片平正二)