パナソニック(6752)が7月30日にオンラインで開催した2020年4~6月期決算の説明会では「アビオニクス(航空機の娯楽システムを提供する子会社)」「オートモーティブ(車載部門)」「テスラ」などへの言及が目立った。説明会の内容をテキストマイニングし、分析した。
20年4~6月期の連結営業利益は37億円と、前年同期比93%の大幅減益だった。新型コロナウイルスの影響で車載向けや住宅関連向けが落ち込むなど全部門で減収となり、コスト削減や車載事業の収益改善効果では補えなかった。
国をまたいだヒトの移動が激減し、航空機の運航が急減した。機内のエンターテインメント機器を提供しているアビオニクスも売り上げが大きく落ち込んだ。アビオニクスを含む「コネクティッドソリューションズ」部門は27%の減収となった。
新型コロナの感染拡大の影響で通期でも減収減益を見込んでいる。梅田博和最高財務責任者(CFO)は、6月の月次売上高は前年同月比のマイナス幅が4月に比べ縮小しており、日本や中国で顕著な回復がみられるとして、底入れしつつあると述べた。
アナリストやマスコミからの質問は、車載向けの見通し、なかでも電気自動車(EV)最大手の米テスラとの協業に集まった。梅田CFOは顧客である日本や米国の自動車メーカーの生産や販売は上向いているとして、7~9月期はさらに改善するとの認識を示した。
テスラ向けについては、前回の5月の決算会見で共同運営する大型の電池工場の追加投資の計画を発表していた。しかし、コロナの影響で進捗が遅れたこともあり、今年見込んでいた黒字化は赤字縮小にとどまり、黒字化は21年にずれ込む見通しだ。
アビオニクスなども回復には時間がかかる見通しだ。今期は構造改革費用として500億円の計上を見込んでいる。中期的に掲げる経営体質の強化に向けて、固定費の削減や赤字事業の対策など着実に改革を進める局面にある。(QUICK Market Eyes 阿部哲太郎)