香港を代表する株価指数「ハンセン指数」を算出する恒生指数社は9月7日から、中国ネット通販最大手のアリババ集団など3銘柄を新たにハンセン指数の構成銘柄に採用すると発表した。人気銘柄の組み入れは指数連動の運用を目指す投資家の買いを誘い「市場への資金流入増加につながる」(輝立証券ディレクターのルイス・ウォン氏)との期待が高まっている。
■2万8000台目指す
今回の見直しでは、中国バイオ医薬品の薬明生物技術と中国スマートフォン(スマホ)メーカーの小米(シャオミ)もハンセン指数の構成銘柄に採用された。代わりに香港不動産開発の信和置業、台湾系中国食品の中国旺旺、中国石炭採掘の中国神華能源が除外される。

採用の前評判が高かった中国出前サイトの美団点評はハンセン指数には組み入れられなかったが、中国本土企業株で構成するハンセン中国本土株指数に採用された。
新たな3銘柄の採用で「約19億米ドル(約2000億円)の資金が流入する」と、金融メディアのAAストックスは8月17日、中国投資銀行の中国国際金融の予測を伝えた。市場エネルギーの拡大に伴う相場先高観も強まっており、香港経済日報は「ハンセン指数は2万8000台を目指し上昇する」と報じた。足元の値は2万5000台だ。
■中国ネット株が集まる市場に
恒生指数社は14日、構成銘柄数の増加など一段の指数改革を進めるとも発表した。アリババをはじめとするニューエコノミー銘柄の存在感の急拡大を反映するためで、今後6カ月以内に新たな措置を発表する。
市場では続いて採用されるニューエコノミー株として、美団点評のほか、半導体受託生産会社(ファウンドリー)の中芯国際集成電路製造(SMIC)や、中国EC2位の京東集団(JDドットコム)などの名が挙がる。
今回の入れ替えでは中国本土系銘柄が3銘柄採用されたのに対し、香港地場の銘柄と台湾の銘柄がそれぞれ1銘柄ずつ除外された。ハンセン指数を構成する50銘柄のうちでは中国本土系銘柄が28銘柄と全体の6割近くになる。
ハンセン指数に占めるセクター別の比重も「情報技術」が7月時点の12.09%から拡大し、相対的に「金融(48.83%)」「不動産(9.99%)」の比重は下がる。香港市場は中国ネット株が集まる市場へと、姿を変えつつある。(NQN香港 桶本典子)
<金融用語>
ニューエコノミーとは
生産性の上昇によって、米国経済からは、従来の過熱、後退という景気循環が消滅してしまい、インフレなき長期景気拡大が実現したとする考え方。 情報関連の技術革新・発展や、経済のグローバル化による、在庫管理の効率化や、規制緩和による企業間競争、労働市場の柔軟性などが、米国経済の質を変貌させ、理想的な経済構造をもたらしたとされる。