S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズは24日夕、ダウ工業株30種平均に顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコム、バイオ製薬のアムジェン、機械のハネウェル・インターナショナルを採用すると発表した。代わりに石油のエクソンモービル、製薬のファイザー、航空機部品・防衛のレイセオン・テクノロジーズを除外する。31日取引開始に合わせて実施する。
スマートフォンのアップルが31日付で1株を4株にする株式分割を実施する。ダウ平均は株価の単純平均で算出されるため、アップルの株価水準が4分の1に下がればダウ平均の寄与度も4分の1に下がる。ダウ平均へのIT(情報技術)銘柄の寄与度低下を軽減するため、セールスフォースを加えることにしたようだ。
米国経済の実態をより指数に反映するために同じ業界で重複する銘柄を除いたとも説明した。石油ではシェブロン、製薬ではメルク、航空機・防衛ではボーイングが構成銘柄に存在する。このため、業界がそれぞれ重複するエクソンモービル、ファイザー、レイセオンを除外した。
エクソンモービルがダウ平均に採用されたのは92年前の1928年で、現在の構成銘柄では最も古い。一時は時価総額で米国株首位に立っていたが、IT銘柄の台頭や石油価格の下落で存在感が低下していた。
発表を受けて米株市場の時間外取引で、新規に採用される3銘柄は軒並み4%前後上昇している。指数に連動して運用するファンドの買いが期待された。一方、除外される3銘柄は2~3%下落している。(NQNニューヨーク=横内理恵)