JPモルガンは1日付リポートで、「マーケットは少なくとも相対的にはやや高い水準で夏を終えようとしている。高リスク資産は引き続きアウトパフォームしており、ボラティリティは様々な資産クラスで低くなっている」と直近相場を振り返った。そして3日の米市場。ダウ工業株30種平均は下げ幅が一時、1000ドルを上回るなど久しぶりに値幅を伴うリスクオフのムードに覆われた。
「秋が近づくにつれ、市場と国民の関心は迫り来る米国大統領選挙に向けてしっかりとシフトしなければならない」とJPモルガンは指摘していた。“トランプ現大統領”と“バイデン候補”のウェブ検索数は過去4回の大統領選前8月時点の3倍近くまで増加していることから、「この傾向が続けば10月には大幅な増加が見込まれる」とした。
JPモルガンは、今年の大統領選への注目度の高さに加え、「大統領選挙がその後の公共政策に大きな影響を与えることは言うまでもない」として、「今後の政策への影響が資産価格に組み込まれることで、市場にボラティリティが生み出される可能性がある」と指摘。実際、「幅広い資産クラスが既に歴史的に高いイベント・リスクをオプション市場に織り込んで価格付けしている」とした。
また、「この不確実性は、新型コロナウイルスの投票への影響と郵便投票の急激な増加に起因している可能性が高い。米国の金利、クレジット、株式すべては、大統領選の結果が遅れたり、結論が出ないリスクを高く評価している可能性もある」との見方も示された。(QUICK Market Eyes 大野弘貴)