金融市場は「アベノミクス」の継続を望んでいた。QUICKが市場関係者に緊急調査したところ、次の首相として最も望ましいのは菅義偉官房長官で68%の支持を集めた。金融緩和の継続や財政出動などの政策を求めている。年内の日経平均株価の見通しでは2万3500円以上が過半数だった。
■次の首相には誰が望ましいですか。
■金融政策について、新首相にどのような政策を求めますか。
■経済政策について、新首相にどのような政策を求めますか。
■外交安保について、新首相にどのような政策を求めますか。
金融市場にとっての安倍政権のレガシーは、円安と株高だ。新首相に望む金融政策では「量的緩和の継続・拡大」が55%を占めた。半面、「緩和からの出口戦略」は22%にとどまる。新型コロナ収束が見通せない中、量的緩和の継続が強く望まれているようだ。
望ましい経済政策では「消費減税・法人減税」(30%)と「財政出動による景気浮揚」(29%)が多く選ばれた。自由回答では「消費増税を中止すれば、景気はもっと浮揚していた」など2度の消費増税を悔やむコメントが複数あった。
外交・安保の分野では「米国など西側諸国との関係強化」が6割超で最多だ。トランプ米大統領と親密な関係を築いた安倍首相の外交スタイルは市場に支持されており、次期首相にもスタイル継続が望まれている。「中国との関係改善」は7%にとどまった。
■首相交代を受けた2020年内の株式相場(日経平均株価)の見通しをお答えください。
■首相交代を受けた2020年内の為替相場の見通しをお答えください。
首相交代を受けた年内の日経平均の見通しでは「2万3500~2万5000円」(42%)が最も多い。「2万5000円以上」(16%)も合わせると6割が年内の株高を予想している。
同様に円相場を尋ねると「1ドル=105~110円」が63%で最多だった。安倍首相の辞任報道を受けて一時的に円高が進んだが、中期的には円安傾向を予想している。
調査は2~3日に実施。証券会社などQUICKの金融情報端末のユーザー232人が回答した。