※ニコラの株価
10日の米国市場で電気自動車(EV)トラックを手掛けるニコラ・モーター(NKLA)が大幅続落し、11.32%安の37.57ドルで終えた。空売り投資家のヒンデンブルグ・リサーチが10日付のリポートで、アメリカ最大の自動車における相手先ブランド(OEM)提携で嘘を行った詐欺的な方法を明らかにするとの見解を示したことが嫌気された。
■本当は走れない?
ニコラは8日、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)と戦略的提携を結んだばかりだった。リポートによれば、ニコラのEVトラックの機能性に対する懐疑的な見方が高まる中、ニコラがビデオを撮影しセミトラックが高速で道路を走行している様子を明らかにしたことに関して「我々がこのサイトを調べたところ、元従業員からのテキストメッセージから、このビデオが手の込んだ策略であることがわかった。ニコラはトラックを遠く離れた道路の丘の頂上まで牽引し、丘を転がっていく様子を撮影しただけだった」とし、実際は走行できなかったと指摘。
また、ニコラが本社の屋根に3.5メガワットを発電できるソーラーパネルを持っているという報道に関して航空写真などを調べると、「想定されるパネルは存在しない」などとも指摘し、ニコラの実体に不可解なことがあると多数指摘していた。(QUICK Market Eyes 片平 正二)