9月30日の米国市場で恐怖指数のVIXが小幅に続伸し、0.38%高の26.37で終えた。S&P500指数が追加のコロナ対策法案への期待感から続伸した割に、投資家心理の不安感を示す展開だった。
9月29日夜に行われた米大統領選挙の第1回候補者テレビ討論会で、トランプ大統領は郵便投票に関して不正が行われると懸念を示し、従来通り結果を受け入れない可能性を表明した。一方、バイデン氏は「私は郵便投票の結果を受け入れ、民主党員、共和党員から選ばれた大統領になる」と冷静な見解を示し、お互いに相手の発言機会に割り込む散々な内容だったが、郵便投票に関してはバイデン氏が大人の対応を示していた。
市場は11月3日の大統領選挙後に混乱が起こると反応したもよう。QUICK FactSet Workstationによれば、VIX先物11月限(11月18日エクスパイア)の清算値は2.49%高の32.88ドルとなり、10月限の清算値(30.38ドル)とのスプレッドは2.50ドルに広がった。大統領選挙を挟んだ限月間のスプレッドは今年最大となり、VIX先物で選挙後の急変リスクをヘッジする動きが活発なようだ。
(QUICK Market Eyes 片平正二)
<金融用語>
VIX(恐怖指数)とは
シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出、公表している指数で英語では「investor fear gauge」、別名Volatility Index(略称:VIX)と呼ばれているもの。 将来の投資家心理を示す数値として利用されており、一般的にVIXの数値が高いほど投資家が相場の先行きに不透明感を持っているとされている。 通常は、10から20の間で推移することが多いが、相場の先行きに大きな不安が生じた時には、この数値が大きく上昇するという傾向がある。