来週(10月5~9日)は東京外国為替市場で円相場が強含み、1ドル=104円ちょうど近辺まで上昇する場面がありそうだ。トランプ米大統領は日本時間2日午後、ツイッターで新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。米大統領選まで残り1カ月というタイミングでの感染とあって、大統領選で法人税率の引き上げなどを主張するバイデン氏優勢の流れがさらに強まるとの見方が広がっている。リスクオフムードが広がりやすく、円相場は円高・ドル安基調で推移しそうだ。
5日には9月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が発表される。足元では欧州など各国で経済指標の結果が低調となるケースが目立つ。新型コロナウイルスの感染者数が再び増加する地域もあり、ISM非製造業景況感指数の結果が軟調となれば、ドル売り・円買いの流れを後押ししそうだ。
同期間の東京株式市場では、日経平均株価は軟調な展開となりそうだ。チャート分析上の節目となる75日移動平均の2万2800円近辺が下値メドとの予想もある。トランプ米大統領が新型コロナに感染したことについて市場では「トランプ氏の危機管理の不備やコロナ重症化への懸念から、11月の大統領選でバイデン前副大統領が勝利する可能性が高まった」(三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミスト)との指摘がある。増税を掲げる同氏が優勢との見方が広がれば、日本株相場を下押ししそうだ。
個別では安川電が9日に2020年3~8月期決算を発表する。中国の景気回復を受け、安川電の業績が底入れしたことが確認できれば投資家心理を上向かせる材料にはなりそうだ。
【主な予定】
◇5日(月)
・10月の日銀当座預金増減要因見込み(日銀、8:50)
・10月のQUICK月次調査<株式>(11:00)
・全国証券大会(日本証券業協会、15:00)
・黒田日銀総裁が全国証券大会であいさつ(15:40)
・東証1部上場=ダイレクトマーケティングミックス
・中国が休場(8日まで)
・8月のユーロ圏小売売上高
・9月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数(23:00)
◇6日(火)
・閣議
・30年物利付国債の入札(財務省、10:30)
・9月の輸入車販売(輸入組合、10:30)
・9月の車名別新車販売(自販連と全軽自協、11:00)
・9月のマクドナルド既存店売上高(15:30)
・金融ニッポン・トップシンポジウム(日本経済新聞社)
・中国が休場(8日まで)
・豪中銀が政策金利を発表(12:30)
・8月の米貿易収支(21:30)
・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演(23:40)
◇7日(水)
・黒田日銀総裁がNABE Annual Meetingで講演(8:00)
・9月上中旬の貿易統計(財務省、8:50)
・8月の景気動向指数速報値(内閣府、14:00)
・10月のESPフォーキャスト調査(日本経済研究センター、15:00)
・3~8月期決算=ウエルシア、ファミマ、イオン
・中国が休場(8日まで)
・ポーランド中銀が政策金利を発表
・米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月15~16日開催分)(8日3:00)
・8月の米消費者信用残高(8日4:00)
・ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁が講演(8日4:00)
・米副大統領候補の討論会
◇8日(木)
・対外・対内証券売買契約(週間、財務省、8:50)
・対外・対内証券売買契約(月間、財務省、8:50)
・8月の国際収支(財務省、8:50)
・黒田日銀総裁が支店長会議であいさつ(10:00ごろ)
・6カ月物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
・5年物利付国債の入札(財務省、10:30)
・9月の景気ウオッチャー調査(内閣府、14:00)
・10月の日銀地域経済報告(さくらリポート、14:00)
・3~8月期決算=ローソン、セブン&アイ
・8月期決算=良品計画
・中国が休場
◇9日(金)
・閣議
・8月の家計調査(総務省、8:30)
・8月の毎月勤労統計速報値(厚労省、8:30)
・10月のQUICK短観(8:30)
・3カ月物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
・8月の特定サービス産業動態統計速報値(経産省、13:30)
・株価指数オプション10月物の特別清算指数(SQ)算出
・3~8月期決算=安川電、オンワード、吉野家HD
・9月の財新中国非製造業PMI(10:45)
・韓国、台湾が休場
・8月の米卸売在庫・売上高(23:00)
(注)時間は日本時間
〔日経QUICKニュース(NQN)〕