9日の米国市場で半導体大手のザイリンクス(XLNX)が大幅に3日続伸し、14.10%高の120.94ドルで追えた。一時は123.78ドルまで上昇して2019年7月26日以来、1年2カ月半ぶりの高値水準を回復した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版が8日、「アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)がザイリンクスと買収を協議している」と報道。買収価格は300億ドル以上に達する可能性があるといい、プレミアム期待で大幅高となり、時価総額は295億ドルに達した。AMD株は買収企業を売り、被買収企業を買うという合併・買収(M&A)アービトラージの流れで3.94%安で続落した。
レイモンド・ジェームスは9日付のリポートで「AMDの観点からすれば、今回の買収は理にかなっており、特に株式を利用する場合には理にかなっている」とし、高い株価を活かして株式交換も用いるのは適切と指摘した。その一方で、「ザイリンクスの株価は成長見通しに比べて過大評価されていると我々は感じている」としながら、規制上の観点で意義が唱えられる根拠はないという。「中国の承認は常に問題だが、インテル(INTC)は既にアルテアを買収しているため、インテルがザイリンクスを買収することは決して許されないだろう」などとも指摘していた。(QUICK Market Eyes 片平 正二)