金融庁は13日夜、全国23大学の投資サークルからなる「学生投資連合USIC(Union of Student Investment Clubs)」とのコラボイベントを開いた。今年で3回目となる。大学生らが全国からオンラインで参加した。
■投資を学ぶメリットたくさん、就活にも生かせる
このイベントは、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)に関する意見交換会「つみップ(つみたてNISA Meetup)」の一環。USICとの共同開催は2018年から年1回ペースで続けている。直近の「つみップ」は9月24日に20~30代、10月8日に40代の投資初心者向けにオンラインで実施した。
今回の学生向けもメールで事前に参加者を募り、ビデオ会議システム「Zoom」を利用して開いた。第一部はUSICの代表である水島直希氏(青山学院大学)が司会進行役を務め、副代表の坂本稜太氏(慶應義塾大学)が「学生が投資を学ぶ意義」についてプレゼンした。学生にとって投資の一番のメリットは金融リテラシーの獲得だとし、投資で学んだ企業や業界の分析力は「就活にも生かせる」などと説明。同時に「生活資金を投資に使わない」、「学業をおろそかにしない」などの注意喚起も忘れなかった。
第二部は金融庁が「長期・積み立て・分散投資」による資産形成の重要性やNISA制度について詳しく説明。若い世代へ「人生100年時代」の備え方を伝えた。インターネット取引におけるフィッシング詐欺やID・パスワードの管理方法などにも注意するよう促した。第三部では「金融は経済の血液・心臓である」とし、金融庁の役割と業務について外交や環境、歴史的側面などを交えながら学生たちに解説した。
■学生の疑問に金融庁が回答
意見交換・質疑応答のコーナーでは、Zoom内のチャットで参加者から質問や意見を受け付け、金融庁の職員が回答した。「日本国民が株式投資比率多めのポートフォリオを組むことのメリット・デメリットを知りたい」、「投資についてどのような人、機関に相談するのがよいか」などの質問が寄せられた。
また、「金融庁の方々は(個別株などの)金融取引ができるか」、「金融庁検査は(人気テレビドラマの)半沢直樹での描かれ方とどれくらい違うのか」といった学生らしい質問も飛び交った。さらに「投資のポートフォリオを作ることが投資を始める第一歩だと思った」、「米国に積み立て投資した結果が新興国と同じくらい増えることに驚いた」などの意見が集まった。
◇金融庁「つみたてNISA Meetup(つみップ)」のサイト
(QUICK資産運用研究所=西本ゆき、西田玲子)