【QUICK Market Eyes 片平 正二】いよいよ米大統領選挙の投票日を迎える。世論調査などからトランプ大統領の苦戦が伝えられるが、JPモルガンは10月27日付のフロー&リクイディティのリポートで「もしトランプが勝ったら?」として金融市場の反応を分析している。
■トランプ氏勝利なら米株アウトパフォーム
リポートでは「4年前と同様に、トランプ氏が勝つ確率は一般的にかなり低いと考えられている。2016年の大統領選挙前後の資産クラス別のパターンを見て、トランプ氏の勝利に対する潜在的な市場の反応を評価する」とし、株式、金利、通貨、商品のチャートを比較。その結果、「米国株とグローバル株については、市場の反応は米国以外のグローバル株より米国株が選好された。トランプ氏の勝利が再び驚くべきものになると予想されていることを考えると、米国株が有利になると予想しない理由はほとんどないようだ」とし、米株が他の国よりもアウトパフォームすると予想した。
一方、米株のセクターでは規制強化の見通しが後退し、トランプ氏が予想外の勝利を収めた場合には金融セクターが再び上昇する可能性があるとしつつ、「これとは対照的に、ハイテク、一般消費財が後れを取るだろう」とし、足元で堅調だったハイテク株などは弱含むとみていた。
■既に関心は薄く・・・
なお、JPモルガンはこの日の別の大統領選挙に関する別のリポートで「強気の選挙シナリオのポジショニングは確立されているように見え、主要な投資家からの電話の着信はほとんどなくなった」とし、バイデン前副大統領が勝利することが確実とみられる中、選挙戦自体に投資家の関心が低下していると指摘。バイデン氏による公的オプションが議論になっていないとしつつ、「大統領令によって規制が変わるかどうかが今後直面する政策上の疑問になる」とみていた。