10月末時点の国内公募投資信託の純資産総額(残高)はQUICK資産運用研究所の推計で124.97兆円(前月末比1.57兆円減)となり、9月末と比べて減少した(図表1)。前月まで2カ月連続で過去最高を更新していたが、欧米で新型コロナウイルス再拡大などに対する懸念が広がり、運用益が減ったことが響いた。

■ETF残高、日銀保有分以外が減少
上場投資信託(ETF)の残高は10月末時点で47.07兆円(同0.82兆円減)となった。内訳をみると、日銀が保有するETFは簿価ベースで34.77兆円となり、1カ月で0.59兆円増加した(日銀「営業毎旬報告」参照)。一方、日銀保有分以外のETF残高は国内株式が2%を超える下落となったことで1.41兆円ほど減った。
■ETF以外も減少、運用悪化で
ETF以外の投信残高は10月末時点で77.87兆円となり、前月末比で0.74兆円減少した。欧米で新型コロナ感染が再び拡大し、運用環境が悪化。大半の資産クラスが軒並みマイナスリターンとなったことが響いた。QUICK投信分類の月間の騰落率をみると、10月に上昇したのは新興国株式型と転換社債型のみだった(図表2)。

(QUICK資産運用研究所=石井輝尚)