【QUICK Market Eyes 片平 正二】17日の米国市場の時間外取引で中国の新興電気自動車(EV)メーカーである上海蔚来汽車(NIO、ニーオ)の米預託証券(ADR)が下げに転じて大幅安となった。この日は2.21%高の46.59ドルで続伸して通常取引を終えていたが、時間外では42ドル台まで売られ通常取引終値比で8%超下げた。
※ニーオのADR(17日の通常取引まで)
大引け後に20年7~9月期(3Q)決算を発表し、売上高が前年同期比2.4倍の45億2600万人民元、調整後の1株当たり損益(EPS)が0.82元の赤字となった。前年同期は2.38元の赤字。市場予想はそれぞれ43億6720万元、1.13元の赤字で、実績は市場予想を上回ったが、決算発表前に通常取引で上げていたことから初動は利食いが優勢となった。
決算に合わせて10月の電気自動車(EV)販売台数が前年同月比2倍の5055台になったことを明らかにした。多目的スポーツ車(SUV)のES8、ES6、EC6を含むもので、これらの累計の販売台数は6万3343台に達し、そのうち3万1430台が2020年の販売分だという。決算資料でウィリアム・リー(李斌)最高経営責任者(CEO)は「20年10~12月期(4Q)には1万6500~1万7000台の車両を納車する予定だ」と本業の好調さをアピールしていた。