【QUICK Market Eyes 片平 正二】24日の米国市場で電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)が大幅続伸し、6.42%高の555.38ドルで終えた。連日で分割後の上場来高値を更新し、時価総額は一時5000億ドルの大台に乗せた。
23日夕に一般調達局(GSA)がバイデン新政権への政権移行の準備を進めていることが伝わり、リスクオンで幅広い銘柄が買われる中、クリーンエネルギー政策を掲げる新政権による恩恵が大きいとみられるテスラも大幅高となった。中国の新興EVメーカーの上海蔚来汽車(NIO、ニーオ)の米預託証券(ADR)は4営業日ぶりに反落して3.37%安で終えたが、ソーラー関連銘柄を投資対象とするインベスコ・ソーラーETF(TAN)は2.91%高で4日続伸した。
著名金融ブログのゼロ・ヘッジによれば、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の資産は今年だけで1003億ドル増えて現在1279億ドルに達しているという。9月にマイクロソフト(MSFT)の創業者であるビル・ゲイツ氏を抜き、アマゾン・ドットコム(AMZN)の創業CEOであるジェフ・ベゾス氏に次ぐ世界2位の資産家になっているとのこと。
QUICK FactSet Workstationによればマスク氏はテスラの発行済み株式の17.99%を持っている。ただマスク氏の報酬体系はテスラが10年間に特定の時価総額目標を達成した場合、マスク氏にストックオプションが与えられるという特殊なもので、株高が進めば進むほどマスク氏の富が増える好循環をもたらしているようだ。