【QUICK Market Eyes 片平正二】11月24日の米国市場で破壊的な技術革新をもたらす銘柄を組み入れるアクティブ上場投資信託(ETF)のARKイノベーションETF(ARKK)に大規模な資金が流入した。QUICK FactSet Workstationによれば1億6102万ドルの流入となり、同ETFとしては10月14日以来、約1カ月ぶりの高水準を記録した。これにより、過去1カ月で9億ドル超、年初来で60億ドルの資金が流入したことになる。
この日の米国市場でARKKは109.39ドルまで上昇して設定来高値を連日で更新したが、3営業日ぶりに反落して1.19%安で終えた。電気自動車(EV)大手のテスラが連日で分割後の上場来高値を更新し、時価総額が一時5000億ドルの大台に乗せるなど堅調で、今年のARKKの上昇をけん引する展開となっていた。
同ETFは新製品やサービスの開発、DNA技術分野に関連する化学研究、エネルギーやオートメーションにおける産業革新、フィンテックなどに関連した銘柄を投資対象とするもの。24日時点の組み入れ上位にはテスラ(10.97%)、インビテ(6.72%)、ロク(6.71%)、スクエア(5.79%)といった成長株が並んでいる。
<金融用語>
フィンテックとは
フィンテック(FinTech)は、金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)を合わせた造語。IT(情報技術)を利用した従来にない金融サービスのことをいい、スマートフォンなどを活用した資産運用やインターネット上での資金決済サービスなどにおいて今後個人層への普及が期待されている。 ただし、日本の現行法はフィンテックが想定するサービスに対応しきれていないため、金融庁はフィンテック普及に向け新たな法整備の検討に着手し始める一方、民間においてもフィンテックに関連するベンチャー企業が集まり、フィンテック普及に向け新たな協会を設立する動きも出始めている。